ウゴブロマン 最終章 雨男編⑥ さよならレイン
2007年5月15日 22:25
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フリーズ将軍が滅びた途端、手下の戦闘員たちは操り人形の糸が切れたように地に倒れ動かなくなった。 将軍の波動によって、生かされていたのだろう。
棺のもとに三人は集まった。
ウゴブロマンは恐怖に耐えながら、棺の蓋を開けた。
「きゃあ!」夕子が短く叫ぶ!―雨男を見たのは初めてだった。
「これは・・・ミイラじゃあ・・・」
棺に横たわるのは、頭から下を細い布でまかれている、干からびた人間のミイラ・・・
褐色の、皺だらけの頭部に、穴と化した眼窩、そしてなぜか、口は糸によって縫い合わされている。
(これが、大雨を呼んでいるというのか・・・)ウゴブロマンは変身を解いた。
微動だにしないこの骸が、世界を破滅に追いやろうとしているのだ。
生身の五感を研ぎ澄ませて、ミイラ=雨男から発せられる何かを感じ取ろうとする。
すると頭の中にかすかな声が響いてきた。(水・・水・・・水・・・苦しい・・・水を・・・)
(水を・・・飲ませてくれ)―ウゴブロマンは理解した。
雨男とは、水を飲めずに死んでいった者たちの怨念の集合体なのだ。―ただ、水を飲みたい・・・
生命にとってシンプルだが究極の渇望が、大雨を呼ぶ呪いの核となったのだ。
「博士!水筒を下さい!」―口を縫う糸を引きちぎり、水筒の注ぎ口を干からびた口元へ・・・。
ふと、聞いてみた。「中身はなんですか?」―「わし特製スタミナ健康ジュースじゃ」
不安だが、仕方が無い。液体を口の中へ注ぎ込む。―ゴクッと音がした。飲んでいる!
水筒の中身すべてを飲ませると、再び頭の中に声がした。
(・・・ありがとう、・・・おいしかった・・・)―雨男は棺ごと、霞のように消えていった。
見る間に、雨雲は千々にしぼんでいく。―雨が、止んでいった。
「やったあ!」―夕子は二人に抱きついた。
三人は罵空城を操作して、水害にあった人々の救助に向かった。
(次回、最終回)
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